エコボロンを使うときの注意点

高い防腐防蟻性能を持つエコボロンであっても、正しい使い方をしなかったら、その機能を十分に活用することはできません。
ここでは、エコボロンを実際に使う上での注意点をまとめておきます。

○ 既に食害があり、木材の奥まで被害が広がっている場合は、その部分だけ殺虫剤の使用を必要とする場合があります。
ホウ酸は、予防目的として優れていますが、積極的な殺虫効果を持ち合わせていません。
詳しくは、被害の度合いを専門業者に確かめてもらい、判断を仰いでください。

○ ホウ酸は、腎臓を持たないすべての昆虫に有効で、食害から木材を守ります。しかし、ねずみや猫などの腎臓を持っている動物には、効果がありません。ねずみが家屋をかじるというトラブルについて、ホウ酸処理は役に立ちませんのでご承知おきください。
エコボロンの使用後、ゴキブリの発生が抑えられるかという問い合わせもあります。ゴキブリもホウ酸ダンゴのようにエコボロンを食べれば効果がありますが、エコボロンで処理した木部を舐めたりかじったりすることは、期待できません。
ゴキブリ駆除としてのお約束はいたしかねます。

○ 施工箇所が雨にあたる場合は防水効果のあるトップコートを併用する必要があります。
ウッドデッキや木製の垣根、天然木の外壁などです。
トップコートとしては市販の木部用に使用されるペンキをご利用頂くことも可能です。
処理手順としては先にエコボロン処理を行ない、次にトップコートを施します。室内でも必ずワックスの前にエコボロン処理をされてください。
無垢の色合いを出すためにペンキを使用したくない場合は、透明のシリコン系撥水剤である、佐野商会さんのWOOD―AIDをお勧めしております。
結露が激しく、木の表面を水滴が滴り落ちるような環境下の木材の場合、エコボロンの働きが半減する場合があります。
結露対策は、建築工法によるものですので、施工業者さんにはどのような対策が取られているかを確認されるとよいでしょう。
大雨、洪水などで床上浸水した際は再施工を行なってください。
屋根からの水漏れも性能の低下につながります。修理の際には、ホウ酸処理を忘れないでください。

○ 同じホウ酸を使った製品でも、ホウ酸濃度が高いこと、適切な浸透性があること、その商品でしっかりとしたデータを持っていること、認定が取れていることなどの確認が必要です。
またホウ酸以外に含まれる溶剤や添加剤に、揮発性の有害なものが含まれていてVOCを発生させないかなどの確認が重要です。
エコボロンは、ホウ酸含有率約18%の高濃度を誇り(「ホウ酸塩」含有率では約15%)、溶剤には水を、性能向上のための微量の添加剤には、化粧品の原料を採用しています。施工者の皮膚に掛かることもあり、室内での使用目的もあるからです。
また、公益社団法人日本木材保存協会の認定を取得し、製品での各種試験データを豊富に持ち合わせています。

○ ホウ酸は天然の鉱物で土壌のミネラル成分のひとつであっても、環境省はホウ素の排出基準を10ミリグラム/リットル(海域に排出の場合 230ミリグラム/リットル)と定めています。
塩や醤油でも大量に排水溝に流すと、環境に影響が出るという話と同じです。
エコボロンは木部への使用にお使いください。開封後でも密閉していれば効果が減ることはありませんので、余ったら次の施工まで保管してください(染料を入れた場合のみその日のうちにご使用ください)。

○ 庭木の害虫の殺虫処理には、エコボロンは使えません。
天然成分で安全性が高いことは確かですが、雨がかりの庭木などへの使用についてを前提としておりません。また、大量にまきますとホウ酸濃度が高いため、庭木が枯れることもあります。
松枯れを起こすマツクイムシなどには利用した実績がありませんので、生きた木ではなく、木質材料の防腐防蟻防虫という本来の用途にのみご利用ください。

○ ホウ素は人間に必要な必須ミネラルですが、大量に摂取しても大丈夫ということではありません。エコボロンは誤飲防止に苦味成分が入っています。
飲用の用途ではありませんので、小さいお子様の手の届かないところに保管されてください。

○ 室内に見える木部に使用される場合は、あらかじめ見えにくいところで試験を行なってから施工してください。1本の柱に部分的に施工した際は、薄い雨染み程度の跡を残すことがあります。また、浸透性の悪い木材の場合、表面に留まったホウ酸が白く残る場合があります。その際は雑巾を良く絞り、ふき取っていただくと見えにくくなります。
床の間の柱や、室内に露出する柱については、施工をしないか、すべての木部に均等に施工するかをお選びください。

○ エコボロンの有効成分であるホウ酸が、噴霧器の噴霧口で結晶化して、固まることがあります。作業を中断する際や、終了した際には水を通水して洗ってください。また、固まってしまった場合は、お湯につけてポンプ稼動していただくと、再び使えるようになります。

 

〇 冬場の保管場所は暖かいところでお願いします。

保管場所の温度によっては、一部結晶化しますので、その際はファンヒーターなどで温め、溶かしてからご使用ください。

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